一般的なサドルの構造は下図のように[1]表面の皮素材(天然皮革・合成皮革)と[3]ベースの間に[2]パッドを挟んだ構造になっております。お尻の苦痛を和らげる機能の多くをパッドの部分が担っている構造です。
現在でも上記のサドル構造が最もオーソドックスと言えるでしょう。
発想の転換で軽量化を実現、「タイオガ スパイダー」
表面素材とベースの間にパッド(緩衝材)を挟んだ一般的なサドルの構造の欠点は構成部品が多いこと。部品点数の多さによって重量がかさんでしまうことです。そんな問題を構造から改革したのがタイオガのスパイダーというサドルです。
[4]のレールに直接に肉抜きした樹脂性のベースを乗っけて、ベースのしなりでお尻の苦痛を和らげるという発想です。部品点数の削減による効果で劇的な軽量化が実現できるわけです。
スパイダーの意匠となっている大胆な肉抜き加工もしなりを与えるための機能というわけです。
結構昔からある歴史のあるモデルなんですが、どんどんと技術開発が進みラインナップは充実、ハイエンドモデルとなる「スパイダー ツインテール2 フルカーボンレール」ではレールがカーボン製になって重量120gを達成しております。
自転車のパーツの中でも高い位置にあるサドルは軽量化の体感効果が大きく、積極的に軽量化を図りたいパーツ、120gという重量はなかなか魅力的ですね。
特徴的な意匠のため模造品が頻発?価格も牛丼並みで衝撃
スタイリッシュなデザインと軽さが売りの「タイオガ スパイダー」ですが、ビックリするくらい模造品が出回っています。分りやすい意匠なので、ある程度の樹脂加工技術があれば、類似品を作るのはさほど難しくないのでしょうね。
Amazonの商品ページ下部に「この商品を見た後に買っているのは?」という他製品の紹介がありますよね?そこには類似品がちゃっかりと表示されていますw
それだけ類似品の需要があると言うことを意味しております。
「自分のお尻合うサドルは試してみないとわからない!」というのが自転車乗りの中では半ば常識、なんせ500円以下の牛丼並みの価格で買えちゃう訳ですから。
配送先によっては送料無料になるものもあり、その割安感はハンパありません。ワンコインで購入できる点から、ダメもとで試してみるお客さんが多いのでしょうね。
これらの類似品が「メッシュサドル」なるカテゴリーになっているのも興味深い。
しかし、以前は2000円弱くらいで取引されていような気がする「スパイダーの類似品」何故ここまでディスカウントされた価格になったのか?
背景にはさらに軽量な激安カーボンサドルが約2000円程度で販売されはじめたことが、スパイダー類似品の更なる価格破壊を引き起こしていると推測します。
本家の値段が安価なモデルでも5000円程度、ハイエンドなら16000円くらい。類似品ならその1/10以下の価格で購入可能・・・・・・。
あなたならどちらを選びますか?
コメント
こんにちは
パチスパイダー2個持ってます
1個目は’14年に2k円くらいで購入、
ハンモックのようにフワフワで乗り心地最高だったのですが
半年くらいで壊れました
2個目は’15年に1k円くらいで購入
座面は本物と同じ感じで超固いです
(本物はY自転車屋で触りましたが固いです)
こちらは2年程度使っていますが全く劣化の兆候はありません
スパイダーの問題点は、そもそも100均に売ってても
おかしくなさそうなものを10k円以上の値付けにしたために
TIOGA名義のもの自体偽物が氾濫してしまった事
2を出した時に旧の正規品を3k円くらいに価格変更すれば
こんなにパチが氾濫することはなかったのではないかと思います
パチスパの問題点は、全く同じ名前なのに買うたびに全く別物が届く事
レールの幅、高さ、精度、座面の材質、形状、全く違います
よってアマゾンのレビューも意見がバラバラで意味不明になっています
(ある人はフニャフニャで櫓打ちするので使えないと言い
別の人は固すぎて尻が痛くて乗れないという
あれはレビュー者の感性の違いではなく、
実際に全く違うものが届いた結果だと思います)
元が100均レベルなので、業者が増えて競争が激化すれば
ありがたいことに値段は必然的に下がります
今は400円ですか…
クジ引き的な楽しみもあるかもしれません
中華でレールまでカーボンはパキッといきそうでちょっと怖いですね
tamachi様
コメントありがとうございます。
大変参考になりました。
たしかにレールと樹脂座面で構成されたスパイダー自体が高額すぎるのかもしれません。
軽量パーツ=高級パーツと自転車業界の暗黙の図式に当てはめた値段なのかもしれません。
もともとタイオガはリーズナブルなパーツを提供してくれるメーカーというイメージが
あったのですが、成長と共に変わってしまったのでしょうね・・・。
出来栄えのばらつきを考えると、当たりを狙うためには時間間隔をあけて複数発注する
のがよい買い方かもしれませんね。たとえ5個買ってもまだ本家よりも安いしw