シマノの企業としての成長を描いたビジネス本
ロードバイクに乗る人であれば知らない人はいないであろう自転車部品業界の巨人シマノ。
日本が誇る勝ち組企業である。部品といえば自動車部品も日本のお家芸のひとつであるが、自動車部品メーカーは完成車メーカーとのヒエラルギーに苦しんでいるのに対して、同じ部品メーカーでありながら、シマノは部品メーカーでありながら、完成車メーカーに対しても強い影響力を持っているように見える。
そんなシマノもかつてな堺の町工場に過ぎなかった。「シマノ 世界を制した自転車パーツ」はシマノが如何にして世界標準といえる地位まで上り詰めたかを解説した本です。
正確にはビジネス啓発本になるのかもしれませんが、自転車好きであれば十分に楽しめる読み応えのある内容になっている。
最近管理人が気になっておるサンツアーとのいきさつについても詳しく記載されており、日本の自転車部品産業の変化についても知見が得られると思います。
ランスによるシマノコンポのツール初制覇の件に懐かしさ
2003年刊行とやや刊行時期が古いので、序章が1999年のランスアームストロングのツール制覇に話題になっている。ランスによるツール制覇は、シマノにとってはシマノコンポーネントのバイクのツール初制覇となるためエポックメイキングな出来事なのです。
残念ながら、今となってはランスのドーピング問題で「ツール初制覇」なんで喧伝できませんもんね。手にとって読んでみて「なんだこれ?」と思っても当時はそうであったと割り切って、ランスが神格化されていた当時の自転車業界の盛り上がりをイメージしていただきたい。
こちらの本はあくまでコンポーネント視点とシマノとそれを取り巻く企業のビジネスの話が中心ですが、様々な自転車部品についてのウンチクを身に着けたのであれば、以下のロードバイク進化論がおすすめです。
以上、最後までお読み頂きありがとうございました。