女性サイクリストの最大の課題はフレームサイズ
女性用サイクリストは明らかに増えていますね。帰省中に車で見かけるサイクリスト集団に1人や2人は女性サイクリストって場合も珍しくありません。男性と女性の趣味の垣根がなくなったことや、近年のフィットネス指向もあいまっての傾向なんでしょう。
女性がロードバイクに乗る上での最大の障害は自転車そのもののサイズです。
もともと欧州を中心に発展したロードバイクは設計が体格の大きい欧米人向けのためか、そもそも日本人にとってもサイズ的に不利でした。
近年はホリゾンタルフレームからトップチューブがシートポストに向けて緩やかに下がったスローピングフレームが主体となり、比較的小柄な体格の人でもロードバイクを楽しめるようになってきています。
女性のための配慮満載、100%女性用WMNシリーズ
女性サイクリスト市場の増加を見越して、各社で女性用と銘打ったシリーズ展開がなされております。女性用ロードバイクの基本的な特徴は以下です。
①女性が扱えるコンパクトなフレームサイズ
②フレームサイズを考慮しホイールを小型化(650B)
③女性が好むフェニミンなカラーリング
各社が今後しのぎを削るであろう女性用ロードバイク市場において、ドイツの新進気鋭ブランドの「CANYON」が意欲的な試みを見せております。
上記の3点の特徴は当たり前、CANYONのWMNシリーズの最大の特徴は「小柄な体格の人向け」ではなく、女性の身体的特徴まで考慮した「女性向け」とした点です。
特徴①:女性の体格に合わせたフレームジオメトリの見直し
女性の身体的特徴を考慮して、ユニセックスモデルと同じような腕の角度が確保できるようにフレームジオメトリを設計、まさにビッグデータ解析からなせる技
キャニオンによると、WMNシリーズのフレームジオメトリーは同社が独自に分析した女性の身体的特徴に沿って設定。結果、従来のユニセックスモデルよりスタックをわずかに高く、リーチを短くして、WMNモデルに乗る女性とユニセックスモデルに乗る男性の腕の角度と上体の角度が同じになるようにした。
出典:SANSPO.COM
特徴②:女性の体重に合わせた剛性の最適化
女性と男性の筋力の違いに着目した剛性と重量の最適化、これは目新しいですね。「小柄な体格でなく100%女性向け」の設計を如実に表している点です。
さらに、女性が男性に比べ体重が軽く、フレームに求められる横剛性も小さくなるため、チューブ径を細くして重量を削減し、空力性能も向上。パワークライミングやスプリント時でも加速性能と反応性に優れるフレームとした。
出典:SANSPO.COM
特徴③:女性の握力を考慮したディスクブレーキの標準化
これからスタンダードになりそうなディスクブレーキの恩恵を最大限に活用した設計です。
握力の小さな女性に配慮し、全てのモデルで最新の油圧式ディスクブレーキを採用。次世代標準規格となる前後12mmスルーアクスル、フラットマウント仕様としている。
出典:SANSPO.COM
フレームサイズが小さくすると、全体のバランスが崩れてしまいがちですが、ホイールが650Bサイズ(3XSサイズ以下に適用)のためか、わりとしっくりと来ます。
650Bホイールとの対比でフロントギヤとリアディレーラーの大きさが目立ちますが、パッと見はユニセックスモデルと区別がつかないのでは?
個人的には650Bのホイールは選択肢が少ないので、あまり好きではなかったのですが、この出来栄えを見る分には納得ですね。
夫婦やカップルで練習に出る際はパートナーのために650B用のチューブの準備も必要、男性陣は抜かりないように!
以上、最後まで御読み頂きありがとうございました。