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素材にこだわるならクロモリフレームが断然おすすめ
定期的にフレーム、コンポーネントを最新のモデルに交換し、乗り換えていくことも、楽しくロードバイクを続けることでは重要ことではありますが、古いフレームを大事使っていくこともまたロードバイクの楽しみであると言えます。このような楽しみ方を実践しようと考えているのであれば、フレーム素材は絶対にクロモリを選ぶべきです。
では、なぜクロモリフレームであれば長く付き合うことができるのか、ちょうど車でも古い車をかっこよく乗りこなしている方がいるのを想像していただければ分りやすいでしょうか?
かっこよく見えるのは単なる古い車ではありません、明らかにコダワリを感じる車です。
自転車も同様にフレーム選びをきちんとすれば、走行性能はともかくとして10年、20年と乗り続けることは可能です。うまく選べば名車として崇められ、古くとも気後れすることなくロードバイクライフを楽しむことができると思います。
ではコダワリを感じるフレームはどんなフレームなんでしょうか、重要な要素は以下の3点です。
1.流行に流されない飽きの来ないデザイン
2.手入れすれば長く使用できる耐久性
3.感性に訴える味わい深さ
「上記3点を満足できるフレーム素材はなに?」と聞かれれば、管理人は間違いなくクロモリフレームであると思います。
それではフレームの3大材料であるアルミ、カーボン、クロモリの順で材料視点からクロモリの優位性について、あくまで管理人の自論ではありますが説明させていただきます。
アルミフレームをおすすめしない2つの理由
理由①:アルミモデルは材料的寿命は短い?
ロードバイクのフレーム選びはなかなか悩ましい問題です。20年ほど前は各ブランドともハイエンド扱いであったカーボン製のフレームも技術の進化で普及価格帯まで網羅するようになりました。
結果的にそれまで幅を効かしていたアルミフレームとその改良版であったカーボンバックフレームを駆逐することになりました。基本的にコンフォートよりの設計に向かないアルミ素材はカーボンとガチンコの勝負になってしまい、物量増→早期の投資回収→コストダウン→物量増という好循環を実現したカーボンが勝利したわけです。
道中ですれ違うフレームは右も左もカーボンフレームばかりで、アルミフレームなんて全く見なくなりました。アルミフレームリリース直後ににわかに語られていた「材料寿命クロモリ≫アルミ」のように材料性質上、フレーム寿命が短いなどの理由もあるのかもしれません。
そもそも選択肢もほとんどなくなっており、当分の間は各社もラインアップ拡充の計画もないと思います。
理由②:アルミ名車の同名カーボン化でブランドイメージダウン
販売数量の低迷に加えて、ブランド力を持つフレームが少なかったことも原因かもしれませんが、それでも、アルミホイール全盛時はツールでウルリッヒが駆ったピナレロのパリなんか抜群にかっこよかったです。
他にもUSAでのハンドメイドを売りにしていたキャノンデール等、当時は輝くアルミフレームもありました。さらにはシートステーをカーボン化したカーボンバックフレームのパイオニアであるピナレロのプリンス、走行性能はもちろんレースでの実績等を含めて、その強力なバックグラウンドによって、高いブランド力があったと思います。
それらのフレームを使用するユーザーが減った、あるいはフレームがへたって使用不能となったなどの要因で市場では見かけなくなっかことの他に、メーカーが同名称でカーボンモデルなどをリリースしたから始末が悪いです。
アルミで築いた実績をカーボン化することで、アルミ時代のコンセプトを否定してしまったのです。「プリンスといえばカーボンバックの名車」とう位置づけから「カーボンバックのプリンスは単なる旧車」にメーカー自ら貶めてしまった面もあります。
アルミフレームで一時代を築き、アルミフレームへのコダワリを示し続けてきたキャンノンデールも事業買収された結果、こだわりであった「メイドインUSA」を捨て、ハイエンドにカーボンフレームを据えてしまい、アルミフレームの雄というポジションを自ら降りることになります。今でもアルミフレームの販売を続け、「カーボンキラー」などという異名である程度の評価はされているようですが、正直あまりかっこいい意味でもないような気もします。
逆に品質・性能面で劣っていたとしても「メイドインUSA時代」のアルミフレームに乗り続けているほうは、コダワリが持って乗っており、かっこよく思います。
クラインがトレックに買収される前にリリースしていた、いわゆる「オールドクライン」のモデルが高く評価されるように、キャノンデールの「メイドインUSA」のフレームが高く評価される日が来てもいいような気もします。
カーボンフレームをおすすめしない理由
カーボンフレームはロードバイクの旬の素材、ハイエンドモデルにはどんどんと新技術が投入され、数年もするとミドルグレード、エントリーグレードへと、その技術が展開されています。
右も左もカーボンフレームになりつつある昨今、ひとつのモデルを長くのることよりも、最新式にどんどんと乗り換えていくことが、カーボン製ロードバイクの楽しみ方の王道だと思います。
カーボンがまだ高嶺の花だったころの名車といわれるようなフレーム(例えばC40等)であれば、エポックメイキングと銘打たれたステータスによって、長く使えると思いますが、上記のオールドクラインと同じく、程度の良いフレームを入手することが難しくなってきているのが実情です。
クロモリフレームはモデルライフが長いのでおすすめ
上記のカーボンフレームとは違って、新型がめったにリリースされないクロモリフレーム、長く使うには逆にこの点がおすすめポイントではあります。
なんせモデルチェンジがしないので、なかなか古くなりません。もともと古いという面もありますが、それは伝統的なものとしてポジティブに捕らえればOKです。
チネリのスーパーコルサ、コルナゴのマスターエックスライト、デローザのネオプリマートなど、どこの仕様が変わったのかなと思うくらい変化を感じさせないモデルです。
進化が見られない状態にも関わらず、一部のサイクリストの熱烈な支持を集めることができるのは、この状態で十分に味わい深く魅力があるからに他なりません。
ちょっと新しいもので言えばアンカーのネオコットフレームなんかも良いですね。上記3車種とは違った、「当時の最新技術を織り込んだクロモリフレーム」といったポジショニングを確立しており、十分なコダワリを感じさせる逸品です。
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これらをチョイスすれば他のフレームがどんどんとリリースされても、古さによる魅力低下などは全く心配することはないでしょう。
万が一壊れてもクロモリフレームであれば比較的安価に修理することが可能です。クロモリと同じくコダワリの素材として比較されるチタンは溶接に高い技術が要求されるため、長く使うという面ではクロモリフレームに一歩譲ります。
あるいはクロモリフレームであれば、ビルダーにオーダーして作ってもらうのも手です。ハンドメイド、自分専用のオンリーワンと言った面で愛着が沸き、末永く付き合えることに繋がると思います。
但しフルオーダーとなると、これからロードバイクを始めようという方にはちょっとハードルが高いかもしれません。
まとめ:長く乗れるフレームを探しているなら急げ!
長く乗るのであれば、かつての名車が継続して販売されているクロモリフレーム、アルミやカーボンであれば中古で探すしかなさそうです。
これらのフレームの問題もあるのですが、フレームに合うパーツを調達できるかも大きな課題です。昨今のコンポーネントは多様化が進むカーボンフレームのデザインに合せるようにどんどんとマッシブなデザインになってきております。
細身のクロモリフレームに合せるとなるとカンパのアテネくらいしか思いつきませんが、アテネもそのうち無くなってしまうかもしれません。
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現状のクロモリの形状が好きなのであれば、旧車に合うコンポーネントの入手が可能な今のうちに組んでおくことも重要かもしれませんね。
以上、最後までお読み頂きありがとうございました。